就職率伸ばす工業高校卒、年収が四大卒上回るケースも

ソウル市蘆原区にある京畿機械工業高校3年生のイ・デギ君（18）は、少し前まで就職ではなく大学進学を目指していた。

　ところがイ君は今年になって、大学入試の中に「特性化高校（旧・実業高校）を卒業生した社会人対象の特別選考」があることを知り、就職に強い関心を持つようになった。両親は「（高卒で）就職しても給料は大したことないし、苦労するだけだ」と心配したが、現状はまったく異なっていた。

　今年1学期にイ君は、高校に説明に訪れた企業の担当者から、就職した場合の給与について話を聞いた。

　イ君は当初、年収1800万ウォン（約123万円）もあれば十分だと考えていたが、実際はほとんどの企業が2000万ウォン（約136万円）以上は保証するというのだ。この話を聞いて就職に目を向けたイ君はまず、仕事に必要な四つの資格を取得し、自己紹介書の書き方や面接のノウハウを学んだ上で、7月に風力発電機を製造する中堅メーカーに就職した。1年目の年収は2600万ウォン（約177万円）で、翌年には3000万ウォン（約205万円）以上が約束されている。

　京畿機械工業高校の生徒たちの間では今、就職を目指す生徒たちが増えている。3年生357人のうち、半数近い165人（46%）はすでに就職先が決まっており、しかも初年度の年収は平均2200万ウォン（約150万円）に達するという。LGディスプレーなど年収3000万ウォン（約205万円）以上の企業に就職した生徒も18人（11%）に上る。

　今年の四年制大学卒業生のうち40.3%は年収1800万ウォン以下で、1200万ウォン（約82万円）以下も13%に達すると予想される一方、京畿機械工業高校の卒業生の就職1年目の平均年収は、大卒者をはるかに上回っている。昨年まで同校の就職率は26.7%、平均年収は1500万ウォン（現在のレートで約102万円、以下同じ）から多くても1700万ウォン（約116万円）程度で、非常に悲惨な状況だった。

同校の就職状況は、昨年12月にチョ・ヨン校長が赴任したのを機に大きく変わった。チョ校長も工業高校出身で、卒業後に現代重工業に就職したが、後に大学に進学して1988年から11年間、同校の教諭として生徒たちを指導してきた。

　チョ校長の話によると、チョ校長が高校を卒業した当時は卒業生のおよそ75%が就職し、うち20%は大手企業に採用されるなど、就職状況は非常に良かったという。

　チョ校長はその後、教育庁の奨学官、教育科学技術部（省に相当）の研究員として務め、しばらく学校教育現場から離れていた。そして昨年再び同校に復帰したところ、工業高校の現状にショックを受けたという。生徒たちは自らの適性とは関係なく、ひたすら大学への進学を目指し、就職したくてもまともな仕事に就けなかった。このような悲惨な現状を目の当たりにしたチョ校長は、自分と同じく工業高校で学ぶ後輩たちに、自らの適性に合った仕事で、なおかつ好条件で採用してくれる企業に就職させることを決意し、生徒や保護者を説得し始めた。チョ校長は「まずは就職し、希望する場合には後から大学に行くという選択もある」という内容の講演を8回にわたり行った。高校を卒業してすぐに就職しても、決して不利にはならないということを訴え続けたのだ。

　また、生徒たちに好条件の就職先を紹介する「産学協力担当教諭」という新たな職務を学校内に設け、一般企業で採用業務を行ってきた管理職経験者2人をスカウトした。この2人は300社からなる企業リストを作成し、うち賃金や福利厚生に優れた企業80社を直接訪問して、京畿機械工業高校を紹介するとともに、卒業生を受け入れるよう要請した。

　これらの努力が実を結び、これまで専門大学（短期大学や専門学校に相当）以上の卒業生を採用してきた中堅メーカー40社が、今年初めて京畿機械工業高校の卒業生を採用することを決めた。うち2社は毎年、同校の卒業生を採用することを約束する協約を締結した。


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/16/2011111601098_2.html


大学生が多くなりすぎるとこういうことが起きますよね。。


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